ふたりが育った家になら
そんな絵が存在しても
おかしくはナイ…。
だけど。
雪深い田舎と都会。
セイの生まれた土地と
こっちでは
気象条件もおおきく違う。
「画用紙の劣化の状態に
おかしいトコロがあったら
それこそ
かえって疑われるタネを
自分で撒くようなモノ
だよね?」
「だ〜か〜らあ!」
察しの悪いヤツらだ、と
言わんばかりに
「ふたりで描いた絵を
上京するときに
持ち出していたのは
長男だけじゃ
なかった、ってコト
なんじゃねえの?」
セイが面倒臭そうに
バードさんの掴んでいた手を
振り解いた。
それって…。
「…もしかして
クボ先輩も…?」