自分が証拠の絵を
隠したりしなければ
破られるコトなど
なかったであろう
義兄弟の想い出。
よかれ、と思って
やったコトが
裏目に出ていた、なんて。
「あの、ね。バードさん…」
バードさんの震える肩に
掛けるコトバなど
みつかるハズもない。
「…郷里から持ち込んで
ずっとずっと
捨てずにとっていたのは
それがとても
大切だった、ってコトで。
きっと
あのオンナの目からも
必死の思いで
隠し続けてきたんだよね」
「バードさん…」
「それを、きっと彼は
自ら進んで…!」
「ま、いいんじゃねえの?
それでアイツは
義理の母親に“貸し”が
出来て
将来は安泰でバンバンザイ」
こんなときにも
セイがいつもの調子で
悪びれた。