バードさんの背中から
不穏なオーラッ。


だけど

迂闊に

「バードさんを
これ以上刺激しないで」

などど
セイに嘆願しようモノなら

天の邪鬼なセイの行動が
エスカレートするのは
目に見えている。


「……」

ここは、いっちょ

死んだフリならぬ
お腹痛いフリとかして

セイの意識を
私の心配に向けさせて…。


お腹を押さえて
その場に
座り込もうとした私に


「…なんだ?
トイレなら早く行って来い」


セイのデリカシーのない
ツッコミがッ。


…普段から
健康自慢の自分のキャラが
哀しいですッ。


「ベランダは
こっちの部屋かな」


他人様の部屋の中を
我が物顔で捜索する
セイの足元に注がれる
バードさんの厳しい視線に


「セイッ、靴ッ!
靴、脱ぎなさいッ!」


私は最悪のシナリオを
覚悟した。