セイの誘導に
見事に引っ掛かった
バードさんが
「…くッ」
ちいさく舌打ちをし
「…あのオンナが」
「……」
「あのオンナが
僕達の制止を無視して
あまりに
一方的にクボくんを
責めるから…!!!!」
言い訳する。
「本妻の供述に
“小娘達に
偉そうに自分の行為を
咎められたから”
つい、カッとなって
絵を破いてしまった、と
あったけど?」
「それは!」
「……」
「それは…。
近所に聞こえても
いいんですか、って意味で
開けただけ、で…」
「充分な“脅し”じゃん!」
セイはバードさんの釈明を
一刀両断に切り捨てた。