「あの絵をさ

本妻側に買い取らせる

もしくは

正義に燃えるマスメディアに
売り込むにしても、さ

どれだけ高く値を
吊り上げられるかは

事実カンケイの把握に
かかって…」


セイが全てを
しゃべり終える前に

バードさんの蹴りが再び
飛んでくるであろうコトは

予想の範囲内だったから


バードさんの蹴りが
見舞われる前に

「!」

私はセイの胸ぐらを掴み

ブンブンブン、と
セイのカラダを
おおきく前後に揺さぶった。


「!!!」

首の痛みに耐えかねてセイが
その場にしゃがみ込む。


「どうして
そんな見え透いた嘘ッ

この状況で平気で
言えるかなッ!?」


「……」

バードさんの
切れ長の目が

怒りの矛先を探していた。


「あのッ、バードさんッ
本当に違うんですッ」


「……」