「…そんな」


そこで
バードさんが目にしたのは

紛れもない

朽ちた鉄の飾りの
名残、で。


「鉄の飾りに
両足がついている、と
油断して

全体重をソコに
掛けてしまったんだろうね」


「…あのオンナが」


「……」


「あのオンナが

突き落としたワケでは
なかった…?」


バードさん…。


「あの絵が
そこまで大切なモノだと
警察にも住民にも
わからないからさ」


落下した少年が
最後に遺した
“逃げて”というコトバを

みんなして
深読みしたんだろうな、と


混乱するバードさんに
セイがさらなる現実を
突きつける。


「アンタの沈黙は

クボ家の報復を恐れて
黙っているのでは?、と
皆は想像を逞しくし

本妻は追い詰められ

結果、偽造という
新たな罪を生み

“義弟くん”の
隠し持っていた大事な絵も
破られた、と」


「……」