「セイ、それは…!」


セイの言ってるコトは

確かにそうなのかも
しれないけど

だけど

だからといって、今
このタイミングで
それを口にするのは…!


「全てはキミの言う通り

なのかも、ね」


俯いているバードさんの
笑い顔から

ポトポト、と
大粒の涙が零れ落ちる。


悔やんでも
悔やみきれない、とは

このコトだろう。


自分が見聞きした
情報だけが

真実だ、と
思い込んでしまった結果

義弟が大事に持っていた
想い出の絵までが

破られ

あらゆる判断が
裏目に出てしまっていた

なんて。


「バードさん」


慚愧の思いに
鉄柵の元にしゃがみ込む
そのヒトの肩に手を触れるも

掛けるコトバが
見つからなかった。


「でも、ひとつ

釈然としないコトが
あってさあ」


「セイ…?」