「お前を拉致したオトコが
以前働いていた芸能事務所も
あの愛人の息が掛かった
事務所だと
そのときはまだ
知らなかったとは言え
もっと自分の直感を信じ
情報を精査してから
動くべきだったんだよな」
ハハ、とちいさな声で
自嘲した。
「もう、さ。
なんか、何を信じていいのか
わかんなく
なってくるよなあ…?」
セイのこの独白が
誰に向けられて
語られていたモノなのか。
不安に揺れる気持ちを
覗き見るように
雲間に月が浮かんでいる。
「セイ…?」
足先を汚す白い灰が
“気づかずにいる”私を
からかっていた。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#070
≪〜完〜≫
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