「そうだよ!
キミ、タバコのコトだって
僕、この部屋で
トーコちゃんに
話していたのに
さっきの口ぶりだと
知らなかったみたい
だったよね?」
…確かに
バードさんの言う通りだ。
なのに
「盗聴器は
玄関で剥がれ落ちちゃってて
この部屋の中での
会話までは
聴き取れなかったんじゃ…」
何故だかセイより先に
私が言い訳を口にしていて。
「じゃあ、百歩譲って
車の中での会話は!?」
「えっと、あの?」
「僕達の居場所を
このマンションに
特定したのも
食い意地のはった犬の
お手柄のような
言い方をしていたけれど
冷静に思い返してみたら
僕達、逃走中の車の中で
このマンションに来るって
話してたよね!?」
「それは、ですね」
疑心暗鬼なバードさんの
理論攻めに
「え、っと」
私はあっという間に
窮地に立たされる。