テルさんのひと言が
先を急ごうとするセイの
足を止める。
「……」
さすがは相棒、と
言うべきなのか。
なんか
よくわかんないけど
とにかくセイは
止まってくれた。
「靴、履いてくるね」
振り返ろうとした
私の両肩を
乱暴に押し出して
セイが
マンションの踊り場から
身を乗り出す。
「セイ、ちょっと何を!?」
月明かりの下
マンションの中庭の大木達が
風に煽られ
ギシシと音を立てていて
「危ないから!」
下を覗き込んでいたセイの
背中を掴み
引っ張ろうとした
私の横で
「なんでこんなコトに!」
バードさんが
中庭を覗き込み
声を荒げた。
「え」
…ハンモック、って。
「あは」
まさか…だよね?