私の目の前で
エレベーターのドアが
閉じられて
セイとバードさんを乗せた
エレベーターが
動き出す。
「え」
エレベーターの昇降を示す
表示が
あり得ない速さで
カウントダウン。
「なんで1階まで
降りちゃってるの!?」
状況が呑み込めない私に
エレベーターの点灯表示が
一斉に消えるという
さらなる追い打ち。
「えッ、何で何でッ?」
カチャチャチャチャ、と
昇降ボタンを連打するも
表示が復活する
兆しはなかった。
「まさか
こんなタイミングで
エレベーターが
壊れたとか…?」
静かなホールに
ザザザザザ
木々のざわめきが
響いている。
“世の中に
都合いい偶然なんて
そうそう
あってたまるかよ”
「セイ…」
凍てつく夜風が
私の頬を殴っていった。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#072
≪〜完〜≫
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