意味深な言い回し。


「……」
「……」


しかもそれが
どこか哀しげに聴こえたのは

テルさんの
首が少し前に出た
この姿勢の悪さから
くるモノなのか。


「……」

こうして間近で見ると
意外と身長がある。


アクの強い性格に
不似合いな

どこにでもいそうな

印象に残らない平均顔…。


「じゃ、俺はこの辺で〜」

「待ってくださいッ!!!」


私に再び上着を掴まれて

「うおっと、と、とッ」

テルさんが転びかけた。


「なああ〜んだよッ
ったく、もお!」


「せめて帰る前に
あのワンちゃんッ

あそこから助け出すの
手伝ってくださいッ」


「俺、犬の死体なんか
触りたくない」


え。

「……」
「……」

犬の、死体…?


「じゃ
お疲れさまでした〜」