テルさんは
何か私に隠している。


「大事なモノ…?」


それがセイに
関するモノなのか

それとも
誰にも知られたくない
テルさんの
プライバシーに関する
モノなのか

瞬時に判断できる
材料など

持ち合わせては
いなかった。


「あ、うん。そう
とっても大事!」


だけど

テルさんの
取り繕った笑顔に


「…それって
無くしたりしたら

諦めきれない
大変なカンジな?」


「えッ?、あ、うん。
そうそうそう」


…その秘密が

ろくでもないコトで
あろうコトを

直感する。


「…そうですか」

私はテルさんの上着の上から
袖口を優しく撫でる

フリをしてッ

「!!」

イッキに腕時計を
抜き取った!


「なッ、何をッ!?」