「…ふたりで協力して
ネットを少しずつ分解すれば
植え込みの上に
横たわせるコトも
理論上可能かな、と
判断したわけなんだけど」
テルさんの冷ややかな視線が
私の右手に握られた
先の潰れたマーカーペンに
注がれる。
「ふたりで協力して…?」
だから火を
ふたつに分けたのだ、と…?
「なのに、せっかくの道具を
そんなにしちまってさあ」
私ってばッ
私ってばッ
「…ごっくんこッ」
もしかしてッ
とんでもないコトを
やらかしてしまったのでは
ナイのでしょおかあああッ。
「そんなコトが
出来るのならッ」
先に教えて欲しかったッ。
「まあ
俺の勘、だけどね」
「そう、勘なんですか…」
ん?
「……」
「……」
「勘ッなんですかッ!!!」