チュッちゅ♂001
日曜日の昼下がり。
パパは接待ゴルフ。
ママはお友達とお買い物。
セイは
レポート作りの大詰めで
自室に籠りっきり。
「へへッ♪」
私はと言うと
新作ゲームを
友達から借りてきて
リビングのおおきなテレビを
独占状態ッ。
今日は気兼ねなく
「ゲーム三昧だあああッ♪」
うほほ〜い♪
部活を始めてから
長期のバイトもできないから
いつも金欠状態で。
新作ゲームを買うなんて
夢の夢だったから。
「ほいッ。や、とおッ」
貸してくれた友達には
超感謝、だ。
カシューナッツの
ミニ・マカロンと
紅茶をお供に
贅沢な午後を
満喫していた、のにッ。
「へったくそ!」
「センスというモノを
どこに置き忘れて
生まれてきたんだ!」
「ああ〜ッ
また、このバカがッ!」
「……」
気がつくと
背後に
うっとおしいオブザーバーが
約1名ッ。
「…セイはこんなトコロで
油売ってていいのかなッ」
レポート、今夜中に
仕上げなきゃいけないんじゃ
ないのッ?
「足を止めずには
いられないような
マヌケなゲーム展開を
俺に見せつける
おまえが悪い!」
「……」
「あ〜、そこはダメだ!
ほら、見ろ。
こんな単純なワナに
引っ掛かって…!
あ〜、もう、バカかッ!
そこだ、バカ!
今、押すんだよッ、バカ!」
「……」
「ああッ!
もう見てられないッ。
俺に貸せッ!」
セイにコントローラを
取り上げられるッ。