チュッちゅ♂002


「シンスケくんって
上手だと思う?」

新体操部の練習の休憩中。

男子体操部のシンスケの
あん馬の演技を見ながら

ナンノが
ポツリと口にした
セリフだった。


「あん馬?

悪くはないけど
鉄棒ほどの安定感は
ないかなあ」


「そうじゃなくて!」

「?」

「ベッドの上でも
テクニシャンなのかな…」

「!!!!!?」


思わず
隣りで体育座りしていた
ナンノの顔を
見てしまうッ。


「やっぱ
経験豊富だよね?」


ど〜ゆ〜意図を持って
そんな質問を
私にぶつけてくるのかッ。


「…それは何を根拠に?」


「だって
シンスケくんって
凄くいいカラダしてると
思わない?」


「……」


確かにシンスケは
筋肉質なマッチョマンで。

体操の演技も
力強さに定評がある。


だけど。

シンスケって
オンナノコなんか
見向きもしないタイプだし。


そ〜ゆ〜コトに
興味があるとは
思えないんだけど…。


「体力もありそうだし。

いざとなったら
私、壊されちゃうんじゃ
ないかって

すっごく心配で」


…ナンノは
何を心配しているんだかッ。


「トーコは
はじめてのとき

痛くなかった?」


「……」


「セイくんってさ。
細いし、体力なさそうだし。

何より
そ〜ゆ〜コトに
淡白そうだよね」


…私
セイとエッチしてるなんて
ナンノに言った覚えは
ないのだけれどッ。


「セイくんも
シンスケくんと
仲がいいんだから

いろいろ教えて貰えば
いいのにね」


さっきから
ナンノは憶測だけで
モノを言っている。


だけど

事実と違うからって
ムキになって反論するのも
おかしな話で。


「……」

私はひたすら沈黙を守った。


なのにッ!!!!!