「…何か
心配するポイントと順番が
違うような気がするんだけど」
学校から帰った今も
ナンノのオトメな言動が
ひっかかってる。
「アタマが悪いモノ同士
おまえら、いいコンビだな」
なんて
私の話に
リビングのソファーで
いっしょにテレビを見ていた
セイが
くくく、と笑っててッ。
「それでトーコは
何て答えてやったの?」
「…別に」
お互い、頑張ろうねって
ナンノに一方的に
励まされたなんて
とてもじゃないけど
セイには言えなかった。
「シンスケさんは
同性愛主義者だから
その心配はないって
言ってやらなかったの?」
「セイは何でも
決めつけるんだからッ」
セイの足元で
ソファーの座面に
背中を預けながら
抱きしめていたクッションに
顔を埋め
溜息をつく私に
「トーコだって
シンスケさんが
オンナと交わってるより
オトコとヤッてる方が
想像しやすいんじゃないの?」
なんて
恐ろしいツッコミを
入れてくるッッ。
…身近な異性の
エッチしている姿なんて
想像したくもないのにッ。
「トーコ、顔が赤いけど」
セイが楽しそうに
肩越しから
私の顔を覗き込んできて
「トーコの中妄想の中では
シンスケさんって
やっぱり技巧派なワケ?」