チュッちゅ♂011
今日は部活が
少しばかり早く終わったから
ママの夕食作りを
手伝うコトにした。
メインの料理は
ハンバーグ!
いつもは冷凍食品を
多用しがちなママが
調理過程の細部にまで
こだわっている
自慢の一品で。
豚肉と牛肉のブロック肉を
買ってきて
わざわざ包丁で叩いて
ミンチにするトコロから
始めるのだ。
2本の包丁を使って
私がリズミカルに
豚肉を叩いていると
セイがキッチンを
覗きに来て。
「トーコは肉を叩く
リズムまで
どこか
おマヌケなんだよな〜」
私のアタマドラム代わりに
私の
肉を叩くリズムに合わせて
セイが調子よく
叩いてみせてッ。
「もうッ。
邪魔しないでッ」
私は
ハエを追い払うみたいにして
セイをキッチンから
追い払うッ。
「はい、はい!
わかった、わかった!」
私に邪険にされても
どこ吹く風、で
ちいさくバンザイしながら
嬉しそうに
キッチンを出て行った。
「セイは
ハンバーグ作ってると
いっつも
邪魔しにくるんだからッ」
うっとおしがる私に
「だって
この特製ハンバーグは
セイの大好物だもの」
ママものどかに
笑ってるッ。
「自分の好物を
作っているからって
いちいち
キッチンに見に来るなんて
小学生みたいだよねッ」
「このハンバーグは
セイにとって
まさに”ママの味”だもの」
タマネギを炒めながら
ママが鼻歌を歌い始めた。