「生命の危険が
掛かっているときは

要点を簡潔に
相手に伝えるコトが
大事だよ」


もしそんな状態だったなら

”ママの大ボケ”じゃ
済まないでしょおおおおお。


「ママの話はいっつも
無駄に長いんだからッ!

どうして結論を
先に言わないの!?」


ママを責めるつもりじゃ
なかったけれど

ついつい私も
コトバがキツクなるッ。


「だって…」

ママの顔が
どんどん、どんどん

曇っていくモノだから


「ネコ。
俺が助けに行こうか?

排水溝の中で
泣き声が弱ってるんなら

早く助け出してやらないと」


セイも必死で
自分を抑えて話し掛ける。


なのにッ!


「…ううん。もういいの」


ママがうな垂れたまま

リビングのソファーの上に
置きっ放しになっていた
エコバッグを手にして。


「…結論から言えば

もう鳴き声ならしないから
大丈夫」


「えッ!!!!!」


…そのあまりに
予想外の残酷な結末に

セイも私も
思わず絶句した…。


「…ネコ。排水溝の中で…」

なんて可哀想なッ。


「ママのバカッ!

どうしてすぐに
セイに助けを求めに
帰って来なかったのよッ!」


カツオブシの話なんか
してる余裕があるのなら…!

あまりにも
悔やまれますッ。