「トーコ、おまえ。
今、生唾飲んだだろ?」
ぎくッ。
「違うもんッ!!
チーズスナック飲み込んだ
だけだからッ!!」
真っ赤な顔して
釈明する私に
「何、ムキになって
反論してるんだかね〜」
セイが
ククク、と
ソファーの背もたれに
顔を埋めて笑っててッ。
「…それでッ!!
セイは
ケンちゃんに
子どものつくり方を
知ってる、って自慢されて
何て答えたのよッ!」
「…何て答えたと思う?」
セイが
答えを勿体ぶるッ。
「……」
「……」
「…もういいよッ。
別に
教えてくれなくてもッ」
席を立とうとする私の
肩を素早く抱き寄せて
「教えてやるよ」
セイの深い瞳が
急接近したッ。
「おまえは
どうしたら
子どもができるか
知ってるかもしれないが
俺なんか
どうしたら
子どもができないか
知ってるぞ、って」
「……」
「隣りにいた
ジュナさんの冷たい目が
実に気持ちよかったな〜」
…ジュナさんッ。
このバカをどうぞ
許してやってくださいッ。
「もっとオトナとして
正しい受け答えがあっても
いいかと
思いますけどッ」
セイの負けず嫌いには
程があるッ。
「オトナとしての
正しい受け答え、って?」