「トーコだけが
悪かったワケじゃないし。

私だって
すっごくフリを
間違えてたんだよ〜」


「そうだよ、トーコ!」


「トーコ先輩は
目立ってるから

ついついコーチの目も
いっちゃうんだと思いますッ」


あたたかい
チームメイトの
フォローのコトバに


「…みんな」

うるうるうるッ。


思わず
目が潤んでくるッ。


「ほらッ

アタマを切り替えて
明るく楽しく元気よく!

トーコらしくないよッ」


背中をみんなに
バンバン、と叩かれながら

ゆっくりと立ち上げった。


「トーコ先輩ッ。
スマイル、ですよ!」


そうだよね。

いつまでも
引きずってちゃダメだ!

チームの雰囲気も悪くなる。


一生懸命
無理して笑って

必死で立ち直るキッカケを
探していたのに。


「…前から
気になってたんだけどさ」


チームメイトと肩を組み
歩く私に

ナンノが
マジなトーンで
話し掛けてきた。


「自分が脚力があると
思って

ジャンプにしても
みんなより
高く飛んじゃうし。

揃えるって気持ちが

トーコには
いっつも掛けてるんだよね」


そんなに
自分の身体能力を
アピールしたいのか、と

誤解されても仕方ない、って


今日のナンノは
いつになく辛辣で。