「……」
パタン。
部屋のドアが
静かな音がして。
ママを
傷つけちゃったかな、って
思ったけど。
そんな愚かな自分と
向き合うのが恐くて
私は
気づかないフリをする。
…このままだと
自分は本当に
最低な人間なんだ、と
生きているのも
嫌になりそうで。
「…どうした、トーコ」
「……」
なのに。
こんなときに
一番口うるさいオトコの
声が耳元に聴こえてきてッ。
「母さんが
オロオロしてたぞ」
…セイは
ママの味方だからね。
「部活や学校で嫌なコトが
あったのかもしれないが
それをそのまま
家族にぶつけるのは
どうかと思うぞ」
トーコは
そう言うトコロが
あるから
気をつけた方がいい、って
「ずっと言おうと
思ってたんだけど」
…また、だ。
「どうして
今、じゃなきゃなんないのッ」
「…ナンノから
メールが入ってるぞ」
「!!!!!」