結局。

パパの探していた画集は
見つからないまま

3人で
カフェに入って
ひと息をつく。


「トーコはその本を
どうしたんだい?」


パパが
私の抱えていた本を

興味深げに手に取った。


「…これ。
高かっただろう?」


「三万円の値札を
貼ってはあるけれど

セイが二百円に
値切ってくれたの!」


「…この本の作者の
初版本、って

幻と言われてるんだけど」


え。

「だって…」


図書館からの
放出品なんじゃ…。


私は思わず
隣りに座っていた
セイの顔を見たッ。


「……」

我関せず、と
言わんばかりに

私の視線を避けるように
窓の外を見ていますけどッ。


「図書館でも
持ち出し禁止の本
なんだけど」


「本の値打ちを知らないで

不用意に値札なんかを
貼りつけてしまう古本屋が
バカなんだ」


「……」

無知だったのは

はたして
古書店の店主の方
だったのか。


それとも…。


「その目は、何だッ!

大事にしてくれる
持ち主に
買い取られたんだから

本の作者も
きっと
本望に決まってるだろッ」


「……」

セイのこの狼狽ぶりが
全てを物語っていた…。





ちゅちゅちゅCHU〜♪

チュッちゅ♂016

≪〜完〜≫


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