確かに
セイと年子だったから
同じ学校に通っていたときは
いっつも
ママが半分しか
見てくれてなくて。
「そもそもッ
セイは
私の保護者じゃないしッ」
「”保護者”参観って
昔は”父兄”参観って
呼ばれてたぐらいだから
別にいいんじゃないの?」
よくないですッ!!!
「セイは私の弟で
お兄ちゃんじゃないしッ」
「……」
「何よッ」
「…いや」
「何ッ!?」
セイってば
思わせぶりに笑っていてッ。
「トーコのクセに
”父兄”という字が
よくアタマに
浮かんだな、って」
「!!!」
ムカつく
ムカつく
ムカつきますうううう!!
「ほら、そう怒るな、って」
セイが
怒り狂う私に
追いついてきて
私の手を握る。
払い除けようとした
私の手を
さらに強く握りしめて。
「こうして制服を着て
普通の高校生みたいに
トーコと手を繋いで
下校するのって
夢だったんだ」
「……」
見上げたセイの顔が
夕焼けに染まってて。
「……」
私はそんなセイの手を
そっと握り返してみた。
「…ひと駅、歩いて帰ろうか」
セイが私の手を
握り返してくる。
おおきな夕焼けに
向かって
ふたり、坂道を歩いて行った。
ちゅちゅちゅCHU〜♪
チュッちゅ♂017
≪〜完〜≫
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