チュッちゅ♂003


いつも
我が家のリビングの
テーブルの上に置かれている

アザラシのぬいぐるみ

”トーコちゃん”。


二股に別れた尾ビレに
ハンカチパンツが
穿かされていて。


「今日はピンクの
小花柄がいいかしら♪」

ママが毎日ハンカチを
取り換えている。


「…パンツなんて着せ替えて
楽しいのかな」


「楽しいだろ、フツー」

セイが私から
”トーコちゃん”を取り上げた。


長い中指を
”トーコちゃん”の
パンツの隙間に差し込んでは


ニヤニヤと

パンツの中と
私の顔を交互に見ててッ。


「誰もセイの意見なんか
訊いてないからッ」

私は”トーコちゃん”を
セイから取り上げるッ。


「下着があるから
中が気になる。

穴があるから
中に突っ込みたくなる」


これは
人間の自然な欲求だ、って

威張って言ってる
セイの顔が

マヌケに見えるぞッ。


「ママは
脱がすのが目的で
穿かせているんじゃ
ないんだからッ」


恐らく

セイが開けてしまった
痛々しい穴を


「ママはキレイに
縫い合わせられなかったから

縫い目を
晒さないようにって
配慮からだと思う」


「確かにその縫い目は

どう見ても
陰毛にしか見えないモノな」


「変なコト、言わないでッ」

次からソコを

意識して
見ちゃうじゃないかあああッ。


「相変わらず

縫い目の解れから
指も出し入れできるし」


母さんのこのザッパな性格は


「ある意味、芸術だよな」

って。


セイが
ぴちゅ、ぴちゅと
卑猥な音を鳴らしながら

自分の中指を
自分の口に出し入れして


私を挑発した。