チュッちゅ♂022


「どうしたの?

学校から帰ってきてから
今日はずっと
ノリ、悪いじゃん」


セイの部屋。

セイのベッドの中。

「……」

私は
セイの腕に抱かれながら

ずっと
押し黙ったままだった。


「…気分じゃないなら
やめるけど、さ」

「……」


やめる気なんか
ないクセに

セイは私の肩先に
たくさんのキスを贈りながら

儀礼的に私を気遣ってくる。


「…今日ねッ。
学校のトイレで」


「おいおい。

確かに
ノリが悪い、と
指摘はしたけれど。

いきなり下ネタ〜?」


違いますッ!!!


「……」

今日、学校であった
理不尽な一件。


セイに聴いて貰おうかと
思ったけれど

そんな勇気は
どこかに消えてしまう。


「何だよ。
トイレがどうしたんだよ?」


背中を向ける私の髪を
長い指でいじりながら

「もしかして
トイレに籠って

すでに
ひとり遊びした後、だとか?」

ヒトが深刻に悩んでいると
ゆ〜のに


「もうッ!
セイなんてキライッ!」

私をからかうセイを
布団から追い出した。


「…寒いんだけど〜お」

「……」

「風邪ひいちゃったら

母さんに
何て言い訳しようかな〜ッ」

「……」