チュッちゅ♂015
部活の練習が
ハードになってきて
毎日、疲れて帰ってくる
私を見かねて
お風呂上りに
ママがマッサージを
してくれるようになった。
「もうちょっと右ッ。
そうッそこッ!
あ、ちょっとハズれたッ」
「……」
「ああ〜ッ!
だから、違うってばッ」
「……」
ママが良かれと思って
親切心で
やってくれていることに対し
イチャモンなど
つける気は
さらさらなかったし。
「だから
ツボが
外れてるんだってば〜!」
「……」
ましてや
ママを
追い詰めるつもりなんて
これっぽっちも
なかったのにッ。
「好意で
マッサージしてくれている
母さんに対して
毎回毎回
よくもまあ
そんな恩知らずな口が
叩けるよなあ」
カーペットの上で
うつ伏せになっていた私を
ソファーに座ったセイが
長い脚で
甚振ってきたッ。
「…だってッ」
「母さんでもわかるように
俺が油性マジックで
ツボの位置を
バッテンしてやっても
いいんだぞ」
「あらッ!
それ、いい考えね!」
ママ、思いつかなかったわ
って
私の上に
馬乗りになっていたママが
嬉々として
セイのアイデアを
絶賛しているッ。
…何か嫌な予感がするのは
気のせいでしょうかッ。