私のTシャツと
素肌の間に

ママの手らしいモノが
入ってきてッ。


「な、何ッ!?」


「何って…。

オイルマッサージだけど?」


どうして
セイが答えているのかッ。


「母さん、いい?

まずはこの辺りを
こうやって…」


…どうやら

セイが
私のカラダを練習台にして

ママの手を取りながら

オイルマッサージを
教えているようなのだがッ。


「オイルは
手でヒト肌に温めてから!」

「押すんじゃなくて
流すようにして」


…そんなヒマがあるんなら

セイが
マッサージしてくれれば
いいのにさッ。


「そう。上手だ」

「母さん、才能あるよ」

「さすが
飲み込みが早いよなあ」


「……」


セイってば

私なんか
何をしたって
そんなに褒めコトバだけを
並べてくれるコトなんて

滅多にないのにッ。


…ママにはとことん
甘いオトコですッ。


だけど。


ママには
褒めて伸ばすのが
合っているのか。


時間を追うゴトに

どんどん
どんどん

ママのマッサージが
上手くなっている気がする。