「私、セイのそういう

要領のいい
不誠実なトコロって

あんまり好きじゃない」


お誕生日のお祝いって

もっと
大事なモノだと思う。


「お誕生日に向って

毎回、ママやパパや私が
飾りつけとか
準備してるのも」

セイの目には

「そんな風にしか
映ってなかったんだ」


なんか
ショックだ。


私は持っていた箱を
セイの胸元に押し返して

立ち上がる。


「…家族は特別、だろ」

「……」

「こう見えても、俺
我が家の誕生会って
すんごい好きだからさ」


「…口ばっかり
上手いんだからッ」

そんなセリフに

誤魔化されたりは
しませんからッ。


「だってさ」

本当の誕生日を
周りに教えたりしたら

誕生日はみんなに
家に帰して貰えなくなる。


「本当の誕生日は

大事な家族といっしょに
過ごしたいじゃん?」


なんて。


それは本音か。

セイお得意の
言い逃れなのか。