いったいどうして
毎年毎年
いっつも
ケンカしてしまうのか。
ケンカの原因が
想い出せないくらいだから
たいしたコトじゃ
ないのだとは思う。
だけど
頑張って作ったプレゼント。
「価値がわからないヤツに
あげるなんて勿体ないッ」
毎年、そんな風に
怒り狂って
誕生日会では
バースデーソングを
イヤミったらしく熱唱して
簡単に済ませてしまっていた。
「しっかしッ」
プレゼントといっても
セイは
飽きっぽい性格だから
ちょっとやそっとのモノだと
「ありがとう。嬉しいよ」
ニッコリ笑って
マジ、数日でゴミ箱に
行きそうだッ。
パパとママみたいに
図書券のプレゼントなんかが
無難なんだろうけれど
あまりに芸がない。
「やっぱり
セイからのプレセントみたく
消えモノが安全パイなのか」
だけど。
私はリメイクとかは
得意だけれど
料理とかは苦手だし。
ケーキにクッキー。
ダメだ。
作ってる自分の姿が
想像できないッ。
「さっきから
何、溜息ばっかり
ついてるの?」
「あ…」
ナンノが体育館の隅で
ぼ〜っと座り込んでいた私に
声を掛けてきた。
「体調悪いのなら
練習、切り上げて
帰ってもいいよ」
女子新体操部の部長の
ナンノが
心配げに
私の顔を覗き込んでくる。
「…あのさ」
思い切ってナンノに
相談してみるコトにした。