「俺が過去に

自分の誕生日に
何かモノを
リクエストしたコト
あったっけ?」


「…ない。けど」


「俺ってさ。

記念日だから、って
何かプレゼントしたり
されたりするの

本当は嫌いなんだよね」


…あんなに
周りのヒトに
派手に貢がせておいて
よく言うなッ。


「特に
残るモノを貰ったりすると

そいつを見る度に

いつまでも
愛情を押しつけられている
気がして」


苦手、なんだよね、って

セイの指が
私のアゴに触れる。


「こんなに
たくさん焼いてさ。

上手くできたら
父さんや母さんにも
食べて貰うつもり
だったんだろ?」


「…そりゃあ」


でも

そんな甘いモノ
じゃない、って

身に沁みて

お勉強させて
戴きましたからッ。


私はどこまでも
卑屈だった。


「だったら、俺
メッチャ、ラッキー!」


え…。


「トーコのクロワッサン。

ひとりで
独占できるんだからさ」


セイが残りの
クロワッサンをひとつひとつ
丁寧にお皿に移し替えて。


「ゆっくり時間をかけて

この不味さを
味あわせて貰うよ」

なんて。



どこまでも
意地悪で


とことん

やさしいセイだった。





ちゅちゅちゅCHU〜♪

チュッちゅ♂005

≪〜完〜≫


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