…ああ〜ッ。


セイといっしょにいると
本当に気が抜けないッ。


セイは
カラスの行水みたいに

お風呂が早いから


のんびり入ってたら

よくも
俺様を待たせたな、とか

因縁をつけられそうだ。


なのにッ。


「トーコおおおお。

ちゃんと100数えてから
出るんだぞおおお」


って。

オコチャマパンツ
なんかより

この仕打ちの方が

よっぽど子ども扱いでは
ないでしょうかッッ。


私は急いで
カラダと髪を洗って

髪の毛も生乾きのまま
女湯を出る。


「お。トーコのクセに
早かったじゃないか」

って。


セイってば

籐の椅子に
くつろぎながら

コーヒー牛乳なんか
飲んでいて。


頬杖をつきながら

長い足を組み替えて


妖しい目をして
こっちを見てる…。


…こういうの確か

”なんとか夫人”って
ゆ〜んだよね。


長い指2本で
コーヒー牛乳の口を
支えながら

口に運んでるその姿。


何だかとっても
エロティックで。


手にしている瓶すらも

シャンパングラスに
見えてくるから

不思議だ。


「残り半分、やる」

セイが長い腕を
私の方に伸ばしてきて

ドキっとした。