「セイはお風呂
本当に早いよねッ」
「トーコがトロいんだよ」
セイに貰った
コーヒー牛乳を
口に運ぶ。
「トーコは
飲み方、下手だなあ」
私の鼻の下についた
コーヒー牛乳を
セイは笑いながら
親指で拭き取って
長い舌で舐める。
「待っててやるから
髪をちゃんと乾かしてこい」
って。
あれ?
「セイって
もしかして
髪、洗ってないの?」
よく見たら
整髪料で
ちゃんとセットされた
髪型で。
「風呂も入ってないよ」
「やだッ、うそッ。汚いッ」
「俺は夜中に
知り合いの家で
ゆっくり風呂に入るから」
って。おいッ。
夜中に訪ねていって
お風呂に入れて貰える友達って
誰ですかッッ。
「銭湯はヒトの目があって
どうも落ち着かない」
「自意識過剰ッ!」
ちょっと自分が
キレイだと思ってッ。
「だったら
銭湯なんて来なきゃ…」
あ。
そこまで口に出して
気がついた。