家に帰って

アイロンがけをしていたママに
相談してみると。


「やっぱり
いくら習慣だからって

せめてナンノちゃんの前では
呼び捨ては
遠慮した方がいいかもねえ」


…そうだよね。


「シンスケ…くん」

「シンスケ…さん」


何だか背中がこそばいぞッ。


「名字を呼ぶとか?」


「それこそ
どうしたんだ、って

シンスケに
突っ込まれそうだ。


「名前を呼ぼうとするから
無理があるんだ」


あだ名をつければ
いいんだよ、って

さすがセイッ!


困った時には
本当に頼りになるッ!


「よし。
俺がいいのを考えてやるッ」


張り切るのは
結構ですがッ。


「筋肉ゴリラ」に
「マッチョンチョン」

はたまた
「ミスター・ボンレス」か。

トドメが
「男性パラダイス」ときたら


…何気に
悪口になってますッ。


「セイは面と向って

シンスケを
その名前で呼べるワケ?」


「…どうして後輩の俺が
先輩のシンスケさんを

あだ名で呼ばなきゃ
いけないんだ?」


…とてもじゃないけど
呼べない、って

素直に言えんのかッ。


「おバカのトーコだからこそ
許されるシャレだろ〜が」


「おバカには

イタさが
わからないとでもツ!?」


「いでででで〜ッ」

憎ったらしいセイの口を
思いっきりひねり上げたッ。