やっぱり

「予約ができる
スポーツデートが無難かな…」


「朝一番の上映なら
せいぜい1時間待ちじゃない?」


セイは軽〜く
言ってくれるけどッ。


「セイは
朝早いの、苦手でしょッ!」


不機嫌なセイと
1時間も並ぶなんてッ

ハッキリ言って地獄、ですッ。


「…デートの日くらい
シャキッと機嫌よくするよ」


そのコトバッ

ホントに信じても
いいんですかッ。


半信半疑のまま

デートの朝がやってきて。


「おはよう♪」


ご機嫌なセイに

ストローで水滴を
顔に落とされ

目を覚ますッ。


「早く着替えろよ♪

バッチリかわいく
メイクしてやるからさ」


「…う、うん」


気持ちが悪いくらい
朝から爽やかな顔をしてッ


…気味が悪いぞッ。


手にしていた
アイスコーヒーのグラスを

小指を立てて
カラカラと回しながら


ハナ歌なんぞを
歌っててッ。


どうしたコトだッ。


ワンピースに
高めのヒールの
オトナっぽいサンダルを
履いて。


シャンパンゴールドの
シルクのシャツ着た

いつになく
朗らかな王子様に

エスコートされて

プラネタリウムに向う。