いよいよ
待望のプラネタリウムッ。
踏み入れる足も
浮かれてしまうッ♪
「あれ、セイくんじゃないか」
背広の男性に声を掛けられ
セイの足が止まった。
「先輩!」
「何だよ〜。
事前に言ってってくれたら
関係者入口から通すのに〜」
セイが”先輩”と呼ぶヒトは
胸に”支配人”と書いた
ゴールドの名札を
つけていてッ。
…コネあったんじゃないッ。
「関係者入口なんて
恋するふたりには
無粋なモノですから」
セイはにっこり笑って
”先輩”と
早々にお別れすると
「ほら、良い席
確保しなきゃ!」
私の手を取って
プラネタリウムに突撃する。
特等席を陣取って
ご満悦な王子様。
ブザーが鳴って
会場が暗闇に包まれてきて
一抹の不安に襲われたッ。
「セイッ。
暗闇だから、って
変なイタズラしないでねッ」
「…わかってるよ」
気の抜けたセイの返事に
不安はおおきく
膨らんでいく…。