2017.12.07 その後
サンタのトナカイには
1頭1頭
ちゃんと名前がついていて
ソリを引っ張る並び順も
決まっているらしい。
「リリックスさんに
教えて貰ったんだけど
サンタのトナカイって
8頭いる説と9頭いる説が
あるんだって」
デパートの
クリスマスケーキの
パンフレットの
サンタとトナカイの
シルエットを指で数え
「これは3頭しか
いないけど」
リビングのソファーの上で
寝転がりながら
笑っていたら
「そのイラスト描いたヤツ
トナカイのコト
よくわかってんじゃん」
ソファーを背もたれにして
座っていたセイが顎をあげ
私の背中に
後頭部を載せてきた。
「クリスマスシーズン中
トナカイのオスは
落角してるから…」
「“ラッカク”?」
「角がナイってコト」
セイが自分のアタマに
両手をつけて
トナカイの角を
作ってみせる。
「…そうなんだ」
実際に働いているのは
この時期に角がある
メスの3匹だけだ、と
このイラストは
物語っていたんだ…。
「9頭目と言われる
追加戦士的な
“赤鼻のルドルフ”も
オスだから…」
「確かにそれだと
数的にも辻褄が合うよね!」
私はセイのアタマを押し返し
ソファーの上に座り直した。
「このネタ
リリックスさんに
教えてあげたら
いい誕生日プレゼントに
なるよね!」
充電中のケータイに
手を伸ばそうとした私を
「ヤメロ」
セイが充電器を蹴飛ばし
制止する。
「このネタを
自慢げにブログに書いてる
アイツのドヤ顔が
目に浮かぶ」
テーブルの上にあった
みかんの皮を
セイが私に投げつけた。
「もおおおおおお。
リリックスさんへの
バースデープレゼント
考えるのも面倒だ、って
毎年、私にアイデア
出させているクセにッ」
「俺は金を出してるぞ」
「このネタを
今年のプレゼントにしたら
お金もかからないから
私達ッふたりッ
ウィンウィンじゃないッ」
「そんなの俺が許さない!」
怒号と共に
テーブルの上のみかんが
セイの掌で押し潰される。
「お前は、今度の日曜の
俺のスケジュール
空けて欲しくナイのかよ!」
え?
「来年も一緒に
イルミネーション観たいから
プレゼント選びに
またここに来ようね、って
言ったのは
トーコだかんな!」
セイがそっぽを向いて
口元を尖らせた。
After Birthday ♪
2017.12.07 その後
≪〜完〜≫
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